九谷焼の窯元・菁華窯の当主が代々受け継ぐ名前で、当代で4代目となります。
初代・須田菁華は明治から大正時代に活躍した陶工で、石川県勧業試験場で陶画を学び、京都で製陶の研究を重ねました。
その後、九谷陶器会社で上絵付けに従事しましたが、勤めていた会社が解散となり、独立して菁華窯を築きました。
菁華という名の通り、染付作品に定評があり、染付以外にも祥瑞、呉須赤絵、古赤絵、古九谷などの倣古作品を得意としていました。
須田菁華の名が有名になったのはこれだけではありません。
書画や篆刻、陶芸、料理に類まれなる才能を発揮した芸術家・北大路魯山人が陶芸に興味を持ち、初めて魯山人が陶芸に触れたのがこの菁華窯を訪れた時でした。
そのため、菁華窯の入り口には魯山人の篆刻看板が掲げてあり、それは4代となった今でも変わっていません。
現在でも菁華窯では土を揉み、ろくろを蹴り、絵筆を走らせ登り窯を焚く昔ながらの工法を守りながら作陶を続けており、青、緑、黄、紫、紺など九谷焼の濃厚な色彩が魅力的な作品を生み出しています。
