佐賀県出身の江戸幕末~明治時代に活躍した日本の陶芸家です。
有田焼の名門として知られる酒井田柿右衛門は江戸時代から続く窯元の子孫が代々襲名する名称で、その11代目を襲名し、初代から継承されてきた華麗な柿右衛門様式の奥行と伝統に強く感じさせる華麗な錦手の作風に特徴があり、染付作品も手掛けました。
近代柿右衛門の染錦様式の基礎を作り出した人物として知られ、そのほとんどの作品に「角福」銘が使われています。
藩の統制下にあった窯業が廃藩置県によって自由化され、急激に世の中が移り変わる中で11代・酒井田柿右衛門は低迷を続ける柿右衛門窯を復興させたいという強い意志を抱き、作陶にあたっていました。
7代、8代がよく使用していた「角福」の銘を商標登録の可否などを争う訴訟を起こし、経済的に困窮しましたが、海外の展覧会にも積極的に出品を行い、内国勧業博覧会で有功賞を、アメリカ・コロンブス万国博覧会では二等有功賞を受賞するなど、柿右衛門の名を世界に知らしめました。