福井県出身の昭和~平成時代に活躍する日本の陶芸家です。
白磁・染付・鉄砂等、李朝の伝統的な陶芸技法を駆使した端正なのにどこか温かみのある作品を制作しており、極力装飾を抑え、面取り、鎬彫りなどにより釉肌の美しさと形の良さを保った作品は多くの人を魅了しています。
また、染付作品は素焼きをせずに施釉し焼成しているため、高い技術力を持っている事も評価の一つとなっています。
竹中浩の生まれは東京都ですが、生まれてすぐに福井県に引っ越しをして高校卒業まで過ごした事から出身地は福井県としています。
高校を卒業して京都の美術専門書を取り扱う平安堂書店に就職し、近所にあった古美術店で目にした李朝白磁の文具に心奪われ、自分でもこのような作品を制作したいと考えるようになり、重要無形文化財「染付」の保持者である近藤悠三の内弟子になります。
近藤悠三のもとでは成形・絵付・焼成など磁器制作の基礎を身につけ、10年間の修行を積みました。
その間に日本伝統工芸展に初出品すると入選となり、以後、出品を続けていきました。
更に作域を広げるために越前や有田などで修行を積み、京都山科に窯を築いて独立を果たします。
独立してからは兵庫県産の石と天草石を混ぜた胎土を用いて、素焼きせずに施釉し焼成した作品は日本陶磁協会賞を受賞し、京都府無形文化財保持者の認定を受けるまでとなり、イギリスのヴィクトリア&アルバート美術館や東京国立近代美術館などに作品が買い上げとなるなど、著名陶芸家の仲間入りを果たしました。
壷、大鉢、花器、酒器など幅広い作域の中でも、筆筥、筆入、硯、水滴など文具に熱心に取り組み、用の美を兼ね備えた繊細な作風を示し、近年では色絵付の作品を発表するようになり、より個性豊かな作風を示しています。