岡山県出身の昭和~平成時代に活躍する日本の陶芸家です。
電気窯やガス窯を初めて備前焼に用いて、科学的に備前焼の可能性を追求した備前焼作家として知られています。
緋襷を自在に発色させる技術で生み出される「緋紋備前」は備前焼だけではなく日本の陶芸界に大きな功績を残しました。
山本雄一は、重要無形文化財「備前焼」保持者の山本陶秀を父に持ち、幼い頃から作陶の指導を受けていました。
父・山本陶秀はロクロの名手として知られ、その父から受け継いだ高度な技術を駆使して素朴でありながら気品のある作風を確立し、日本伝統工芸展で初入選となると以後、受賞を重ねていきました。
独立して備州窯を築いた山本雄一は、偶然に頼る部分の多い緋襷をデザインとして表現した「緋紋」「緋彩」を創案し、この技術を用いた『備前緋襷八角鉢』がフランス国立セーブル陶磁器美術館に買い上げられるなど国際的にも活躍を見せました。
ちなみに現在備州窯は備前焼では最も規模の大きい窯元として知られ、従業員の数は40名以上に及びます。
また、展示場が併設され、備州窯の陶工たちによる作品や山本陶秀一門の作品など約2万点を展示販売し、工房や窯場も見学できるようになっており、備州窯陶工による手びねり体験も行っているオープンな窯場として注目されています。