和太鼓は日本の太鼓の総称で、大きく分けて長胴太鼓、桶胴太鼓、附締太鼓の3種類があります。
長胴太鼓は、宮太鼓とも呼ばれ、一般的に太鼓と言うと、ほとんどの方が思い浮かべる太鼓がこの長胴太鼓です。
一本の木をくりぬいて、そこに皮を張り、金属の鋲などで留めるという形態です。 胴材には、響きや硬さ、見た目の美しさ等からケヤキが最も好まれますが、近年、国産は不足しているため海外産のものが用いられたり、花梨、タモ、松、桜等の堅い木材や高級木材の黒紫檀が使われることもあります。 皮は和太鼓の音色を決める重要な要素ですが、主に牛の皮が使われます。特に数回の出産を経た雌牛の皮は伸びがよく、耐久性も良いので最良とされています。また、水牛の皮を使って安価抑える場合もあります。
桶胴太鼓は、胴に皮を張り、縄で締め上げた太鼓です。胴はくりぬきではなく、縦に割られた板を寄せて円形にしてお風呂の桶や樽のような作りになっています。胴には、檜や杉、桐の板材が用いられ、皮は牛皮が主に使われ、馬の皮を用いる場合もあります。音は低音で、音響も大きく縄の締め具合により音程の調節をすることができます。
附締太鼓は、胴の両側に当てた皮を締めた太鼓で、ロープ締めとボルト締めの2種類があります。音は強く華やかな高音を発し、歌舞伎や民謡、三味線等に用いられたり、リズムを取るために利用されることが多く、演奏に幅をもたせることができます。ロープやボルトの締め具合により調音ができ、強く締めるほど音が強く、高くなります。
和太鼓にはこの他にも様々な種類があり、上述の両面を打つタイプの宮太鼓・桶胴太鼓などのほか、団扇太鼓等、片面を打つタイプの太鼓があります。
和太鼓の歴史は長く、縄文時代には、情報手段として使用されていたとされています。古くは6世紀頃に作られた古墳から、太鼓を持った埴輪が発掘されているそうです。朝鮮半島などから様々な楽器、音楽が日本にもたらされ、13世紀~16世紀の中世になると、田楽などの発達などによってお囃子太鼓が隆盛し、また有力な寺院の支援を受けて「能」が発達します。 江戸時代に入ると、庶民の間で歌舞伎が流行し、伴奏音楽として何種類もの太鼓が使われています。
今日では、盆踊りや日本各地の民俗芸能や祭礼などで和太鼓が使われ、また神と意思を伝達する手段、呪具として神社や寺院で大小、様々な種類の太鼓が使われています。
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