美術館レポート:山種美術館に行ってきました!
今回は山種美術館で開催されている
『上村松園と美人画の世界』展
の概要や見どころをご紹介致します!
開催概要
企画展名 |
『上村松園と美人画の世界』展 |
会場 |
山種美術館 |
アクセス |
JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅 2番出口より徒歩約10分 |
会期 |
2020年1月3日(金)~3月1日(日) |
休館日 |
月曜日(1月13日(月)、2月24日(月)は開館、1月14日(火)、2月25日(火)は休館) |
開館時間 |
午前10時~午後5時 |
観覧料 |
一般1200(1000)円、大高生900(800)円、中学生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金。
*障害者手帳、被爆者健康手帳を提示の方、および介助者原則(1名)は無料。
*本展使用済入場券(有料)のご提出で、会期中入館料が団体割引料金となります。(1枚につき1名様1回限り有効)
*きもの割引会期中、きものでご来館のお客様は団体割引となります。*但し、複数の割引の併用はできません。
*リピーター割引は、同一の展覧会を2回目以降にご覧いただく場合に有効。 他の展覧会の入場券はご使用いただけません。
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鑑賞時間目安 |
約1時間 |
混雑度 |
やや混雑 |
展示会特設サイト
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山種美術館 |
企画概要
山種美術館が広尾に移転して10周年を迎えたことを記念して、美術館が所蔵する日本画家・上村松園の作品18点を一挙公開する特別展です。
京都で生まれ育った松園は、子どもの頃から絵を描くことが大好きで、日本に初めて出来た京都府画学校に通い絵を学びました。しかし、学校で学ぶより画家の下で修行した方が身になると翌年退学、日本画家の大家である鈴木松年、幸野楳嶺や竹内栖鳳に弟子入りし、めきめきと実力をつけ、松園という雅号を手にするまでに成長しました。明治時代、女性が画家になるなどありえない時代に己を貫き画家として成功した松園は、亡くなる一年前、73歳(1948年)の時に、女性として初めての文化勲章を受章しました。作品同様その生き様も今に語り継がれ、現代の画壇では「松園の前に松園なく、松園の後に松園なし」とまで言われる日本画を代表する画家の一人です。
本展覧会では、衣食住に深く関わる女性の生活を愛おしみ、日常を丁寧に美しく生きるという人として大切な生き様を美人画で表現した松園の作品の数々に加え、松園と同時代に活躍した鏑木清方(かぶらき きよかた)や、その弟子の伊東深水(いとう しんすい)、村上華岳(むらかみ かがく)、小倉遊亀(おぐら ゆき)、橋本明治(はしもと めいじ)といった日本画の名手達が描く個性豊かな美人画が一堂に会す、新春に相応しい華やかな内容となっております。
見どころ
1.松園の代表作「蛍」「砧」「牡丹雪」に加え、
全18点が一堂に会す
山種美術館の創設者・故山﨑種二は松園と親交が深かったこともあり、彼女の作品を数多く蒐集していました。
松園の代表作「蛍」「砧」「牡丹雪」などを含む計18点もの作品を所蔵し、屈指の松園コレクションと評される程です。
これら18点が一堂に会するのは約三年ぶり‼丹念に描かれた着物の柄や一本一本丁寧に描かれた結い髪をじっくり鑑賞したり、また、表装へのこだわりも大変強かった松園が、絵に合わせて選んだ裂地のセンスの良さをお近くで感じられるのも本展ならでは。
2.同時期に活躍した日本画家による様々な美人画
「西の松園、東の清方」と並び称された鏑木清方や、その弟子の伊東深水、
さらに村上華岳、小倉遊亀、橋本明治など、日本画の名手によるバラエティーにとんだ美人画を、鑑賞できます。
画家によって女性像や装い、仕草なども様々なので、その違いをじっくり見るのもおススメです。
3. レア作品もあれこれ
修復後初公開された池田輝方の屏風「夕方」や、重要文化財に指定されている村上華丘の「裸婦図」と、貴重な作品を間近に見られるよい機会です。
おわりに
脂がのった30代から晩年描いた作品まで、その時代その時代の松園の良さが楽しめる本展は、「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香り高い珠玉のような絵こそ、私の念願するものなのです」と松園が語っていた通り、どの美人画も儚げな中に凛とした美しさが宿り、作品一点一点思わず見入ってしまいます。
また、透明感があり日本情緒を投影したような松園の美人画に対し、どこかちょっとユーモラスで力強いタッチの片岡球子の美人画など、様々なタイプの美人画がラインナップされ見飽きることがありません。
是非この機会に日本の艶やかな世界をご堪能下さい‼