速水御舟の瓶梅図をお買取りいたします。【買取・新着情報】

速水御舟の瓶梅図をお買取りいたします。
2017.12.27

速水御舟の瓶梅図をお買取りいたします。


写真のお品物は、大正から昭和初期に活躍した日本画家、速水御舟(はやみぎょしゅう)「瓶梅図」シルクスクリーンです。

速水御舟は寡作な作家であったうえに41歳で夭逝し、関東大震災での焼失も加わり、評価の高さに対し現存作品数は600点ほどと少ない作家と言えます。



速水御舟について

速水御舟(はやみぎょしゅう)は1894年に東京浅草で質屋を営む蒔田家の次男として生まれ、幼少期から店に持ち込まれる書画や能衣装など美術価値の高い品々を目にしながら育ちました。

少年期から絵を描くことを好み、自宅の襖に描いた絵が松本楓湖の執事の目にとまり画塾を勧められたことから、小学校高等科を卒業した1908年に安雅堂画塾に入門しました。

松本楓湖は教育人としても優れ、多くの門下生を育てているので御舟の才能をいち早く見抜きます。

模写の手本とする粉本は一番良い物を与え、御舟は宗元の中国古画から大和絵、俵屋宗達や尾形光琳など古典的名作から幅広く学び、のちの幅広い表現の礎となりました。

1909年に禾湖(かこ)の号を授かり翌年から展覧会への出品を開始すると、1911年に若干17歳にして巽画会展に出品した「室寿の讌」(むろほぎのえん)が一等褒状となり宮内庁に買い上げられ、御舟の並外れた才能が世に知られます。 

同年、安雅堂画塾の同門であった今村紫紅に従って紅児会に入り、型破りで大胆な作風が特徴の今村から多くの影響を受けました。

1912年には号を自ら浩然(こうねん)に改め、美術家たちのパトロンであった実業家の原三渓からの援助を受けます。

1913年に紅児会が解散すると活躍の場を院展に移し、翌年には今村と共に美術団体・赤曜会を結成し、今村が35歳で夭逝する1916年まで協同します。

この頃、号を御舟に改め、苗字も養子先の実母実家の速水に変えて、現在まで知られる速水御舟に定まりました。


京都洛北に4年ほど住み群青色の美しい連作を制作していた1917年、第四回院展に出品した「洛外六題」が横山大観らに絶賛され、日本美術院の同人に推挙されます。

20代半ばまでに偉業を成し遂げ順風満帆のところ、1919年に市電事故にあい左足を切断する災難に見舞われますが、絵画への熱意は衰えるところがなく、画業はさらに飛躍していきます。

1921年に結婚し、岸田劉生の影響で西洋絵画風の写実に目覚めた御舟は、静物画をはじめ写実に拘った作品を制作し、従来の日本画にはない細密描写を徹底した「京の舞妓」では大きな物議を醸しました。

30歳の時に3か月ほど滞在した軽井沢の別荘にて代表作の一つ「炎舞」を完成させ、吹き上げる炎と舞う蛾の描写とともに背景の闇の表現がさらに奥深いと絶賛されています。

また、1929年に第16回院展に出品された「名樹散椿」は、昭和の美術作品として初めて重要文化財に指定される快挙でした。

「名樹散椿」という作品は、京都市北区の地蔵院に実在した老木をモデルに、実際に白や紅、桃や紅白の様々の花をつけ一枚ずつ花弁の散る美しさを、琳派風のすばらしい構図に納めています。

また背景の金地がさらに秀逸で、通常用いられる金箔や金泥ではなく金粉の撒き潰しという非常に手間と時間を要する技法が用いられ、これにより金箔の継ぎ目や刷毛の跡のないまばゆい輝きを均一に放っています。

 

「名樹散椿」はほかの屏風の名品とともに翌1930年にイタリア政府が主催し大蔵喜七郎男爵の後援で開かれたローマ日本美術展覧会にも出品されました。

御舟自身も美術使節として横山大観や大智勝観らと渡欧し、ヨーロッパとエジプトを訪れながら画家のジョットやエル・グレコに影響を受けたと言われています。

外遊後は明るい色調の風俗画や水墨画の名品を制作しましたが、程なくして腸チフスに罹患し多くの文化人に惜しまれながら41歳で早逝去しました。

つねに変貌を遂げ日本画壇に新境地を開き続けた御舟の画業は、近年特別展が開催されるなど注目を集めています。



速水御舟の作品をお買取りいたします! 

今回お買取りしました速水御舟の「瓶梅図」はシルクスクリーンの中でも日本画の繊細な美しさを追求した彩美版で製作されたもので、色の再現に配慮し本作は本金も用いられています。

手刷り仕上げの限定200部販売であり、今後評価が高まり希少となる可能性も考えられます。

写真のお品物では作品に合わせて設えられた純正の額縁と共箱も付属し、高評価でのお買取りとなりました。

 


いわの美術では美術品・骨董品を中心に幅広くお買取りしております。ご自宅やご実家のお片付け、蔵の整理などでご売却をお考えの速水御舟作品やシルクスクリーンがございましたら、いわの美術にお任せ下さいませ。日本画・掛軸・茶道具・ビスクドールなど多品目を合わせてお買取り・お見積りすることも可能です。

お買取り査定のお申し込みはお電話・メール・LINEにて受付しております。お写真を添付いただくとネット無料査定が可能となりお勧めいたします。

恐れ入りますが査定が混み合っている場合は順次ご案内させて頂きますのでご承知おき願います。お客様からのご連絡をお待ちしております。


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