横尾忠則は国際的に最も有名な日本人デザイナーであり、いかがわしいもの、エグいものをサイケなポップアートに昇華する巨匠です。
現在83歳ですがNHK大河ドラマ「いだてん」のポスターを手掛けるなど衰えを知りません。
横尾 忠則 | よこお ただのり |
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1936年~ | |
グラフィックデザイナー・画家 | |
受章 | 紫綬褒章(2001年) |
紺綬褒章(2004年) | |
旭日小綬章(2011年) |
横尾忠則は幼少の頃から絵がうまく、高校生の時にはコンクールで入賞を重ね、卒業後も地元兵庫県でグラフィックデザイナーとして活躍しました。
上京後もポスターやイラスト、映画や芝居のグラフィックデザインなどを手掛け、その斬新でインパクトのある作風で受賞を重ねます。
さらに個展ではショッキングな性表現や死、政治批判を皮肉に盛り込んだ数々の作品で世間に衝撃を与え、横尾忠則は日本のポップアートの前衛となりました。
また、才能はアートにとどまらず、週刊誌の食レポ連載や大島渚監督の映画に主演、向田邦子のテレビドラマ出演、著書多数など多才です。
憧れていた作家の三島由紀夫が、横尾忠則の個展にて絵を気に入ったことから2人の交流が始まります。
三島由紀夫の著書の挿絵や装丁を手掛けるうちに、認められて仕事も増えていき、思考にも影響を受けるようになりました。
三島由紀夫は横尾忠則のアートを『無礼な芸術』と逆説的に讃えていたそうです。
そんな2人の交流は三島由紀夫が憲法改定のために起こしたクーデター『三島事件』において自決し、4年で幕を閉じます。
事件の3日前のクーデター予行練習中に、それとは知らなかった横尾忠則は電話をして、沢山の説教を交えてもっと強く生きるようにと何度も論されたそうです。
当時交通事故による負傷で足の切断を迫られていた横尾忠則はその時三島由紀夫の決意を知らず、叱咤激励された理由を事件後に知ることとなりました。
この時の三島由紀夫の勧めによりインド旅行を決行し、インドの精神世界に没頭していくこととなります。
横尾忠則が初めてアメリカに行った1967年当時は、ベトナム戦争に反対するヒッピーなどの若者文化やサイケデリックムーブメント、そしてポップアートの全盛期であり、カルチャーショックを受けました。
10日間の滞在予定を4ヶ月に伸ばし、アメリカの巨匠ジャスパー・ジョーンズやジョン・レノン、オノ・ヨーコなどと交流を深めることとなります。
この滞在時にニューヨーク近代美術館が作品を買い上げ、パーマネントコレクションとなり、日本よりむしろアメリカで高評価を得ることとなりました。
アメリカを皮切りに、翌年にフランスのパリ青年ビエンナーレ版画部門グランプリ、その後ポーランドのワルシャワ国際ポスタービエンナーレで金賞など、世界各地に活躍の場を広めました。
横尾忠則自身が霊との会話やUFOとの交流などのスピリチュアルな経験をしており、実体験を元にした生々しい作品も多いです。
非常に多作で多様なジャンルの絵を作成していますが、一貫して『死』を連想させ、哲学的なメッセージを感じさせます。
サイケデリックな極彩色を好み、イラスト的な手書きの作品の他、既存の物を切り貼りする『コラージュ』も多く見られ特徴的です。
作品に盛り込んでいる情報量が莫大でありながら、絶妙なバランスを保っているのも横尾忠則だからこそと言えるでしょう。
横尾忠則は絵画の作成にもあらゆる画法を採用しており、油彩画、シルクスクリーン、リトグラフ、オフセット印刷など様々です。
ポスターは近年の量産品は買取対象外ですが、古いお品をお持ちの場合はお問い合わせ下さい。
シルクスクリーン、リトグラフ、オフセット印刷などの場合は発行枚数が少ないほうが希少価値が上がり、油彩画などの肉筆画は更に買取価格が期待できます。
作品の出来やモチーフ、サイズ、そして何より保存状態によっても価格は変動しますので、詳しい買取価格が知りたい方は写真による無料査定をご利用下さい。
また、鑑定書などの付属品がある場合はプラス査定となりますので、必ず一緒にお出し下さい。
購入時に入っていた額は、作品が真作であることの証明になることもあるので、汚れや破損があっても交換せずにそのままお出しされることをお勧めです。
いわの美術では横尾忠則の作品のお買取りを強化しています。
コレクションの処分や引っ越しなどでご売却をお考えの横尾忠則の作品をお持ちではないでしょうか?
今回お買取りしたシルクスクリーン作品『DRAGON VASSELⅢ 龍の器Ⅲ』は5作ある『龍の器』シリーズの第3作です。
ティラノサウルス、遺跡、芸者、キューピット、ケーブルカー、反転された英字などなど様々な物がコラージュされており、メッセージを読み解く無限の面白さがあります。
こちらは103.5×73 cm の比較的大きい作品であり、作品の状態も良かったので高価買取となりました。
いわの美術では絵画の目利きに長けた鑑定士が、市場価格に見合った誠実な鑑定を行っております。
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