今回お買取りの中から紹介させていただくお品物は、ピカソの銅版画の画集『PICASSO 347』です。
ピカソの347シリーズは、1968年3月~10月にピカソが匠の版画職人クロムランク兄弟(Crommelynck brothers)とコラボして作成した、エッチング技法の銅版画のシリーズで、全347作品あります。
すでに晩年の86歳であったピカソが、僅か204日で347ものエッチングを仕上げた驚異の作品群は、まさにピカソの最後のエネルギーの爆発と言えるでしょう。
このシリーズは異なる文化や時代そしてアイコンを組み合わせる一方で、『参加者ではなく語り手や傍観者』という統一されたテーマを貫きます。
作品の中に描かれているサーカスのフィギュア、ミュージシャン、モデルと画家などは空想上の景観であり、そのほとんどにエロティックな要素を含みました。
ピカソの347シリーズは関心を集め、コレクター、美術館、ディーラーなどからの需要が高まり、オリジナルの版画は高騰します。
オリジナルの版画に手が届かない人の為に、日本では1977年に時事通信社が『PICASSO 347』作品集(ポートフォリオ)を出版しました。
オリジナルの版画を忠実に再現した最高品質の画集であり、限定1500部のみとなっているので、中古市場でも人気があります。
いわの美術では時事通信社『PICASSO 347』をお買取り強化中です。