瑞獣
瑞獣は、瑞祥(ずいしょう)いうめでたいことが起きる何らかの前兆として現れる、特殊な力を持った想像上の動物達である霊獣などのことを示しています。広大な中国大陸の自然と宗教から生まれた瑞獣のデザインには、安定した治政や世の中の泰平を望んだ古代中国の人々の深い祈りと智慧、絵心が込められています。
鳳凰(ほうおう)
鳳凰は瑞祥(ずいしょう)と呼ばれる、めでたいことが起きる前兆で現れるとされた縁起の良い鳥の代表で、雄を鳳(ほう)雌を凰(おう)と呼びます。徳の有る天子(皇帝)が出現した時に表れ、雌雄が一緒に羽ばたいて共に鳴けば、天下泰平である証とされました。甘い純粋な水と竹の実だけを食料としています。
鸞(らん)
青色の羽をもつ鳥で鳳凰が歳を重ねたときの姿とされています。
平安な治世の中で君主が折り目正しいときに表れると言われています。
麒麟(きりん)
仁徳を持つ君主が現れた際に現れる一角の霊獣で、日本ではキリンビールのラベルに描かれていることでおなじみの獣です。角は肉に包まれており、誰ひとり傷つけることがありません。
龍(りゅう)
蛇に似た長い胴に鱗をもち、四足、翼を持つ想像上の動物です。5つの階級をもち、皇帝や宮廷の人々の衣服にも龍の文様をのせて良い数や、階級ごとに使用して良い龍の種類が厳しく定められていました。
霊亀(れいき)
治水の才を持つ人(帝王)が生まれると姿を現すと言われる亀です。
甲羅に水脈が刻まれ、治水を助けるといいます。
獬豸(かいち)
伝説の一角獣の一種で、大きいものは牛に似て小さいものは羊に似ています。正義や公正の象徴とされており、この獣が現れると良い裁判官がでてくるといわれています。
正義感が強い性格づけがされ、人の善悪を見抜き、悪い人を角でつつくそうです。似た獣が台湾・朝鮮半島にも存在しており、日本の狛犬のルーツとも言われています。
九尾の狐(きゅうびのきつね)
九尾の狐は、紀元前二世紀から三世紀に書かれた中国の地理書「山海經」に登場する、実在の動物ではないような生き物のうちの一つです。一説には天界の神から遣わされた神獣であり幸福をもたらす象徴とされました。また、美女に化けるという話も多く遺されており、日本の「狐の嫁入り」のような言葉の原型となってもいます。最も古い記述は「山海經」の中の「南山經」の中にあり、古い歴史を持ちますが、アニメ「ポケットモンスター」など、子供向けのアニメキャラクターにも九尾の狐をモデルにしたキャラクターが登場しています。
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