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【骨董品買取の豆知識】青磁や白磁など、価値が高い中国の陶磁器の種類

【骨董品買取の豆知識】青磁や白磁など、価値が高い中国の陶磁器の種類

日本の伝統工芸には、有田焼、萩焼などの陶磁器がありますが、その祖となるものが中国の陶磁器です。中でも透明感のある純白が特徴の白磁、鮮やかな青緑色が美しい青磁は人気が高く、国内では今も高額で売買されています。

白磁も青磁もその歴史は長く、どちらも主に唐代に発達して宋代に最盛期を迎えたことから、合わせて宋磁と呼ばれることもある陶磁器です。


知識人や上流階級に愛された青磁

青磁がはじめて作られたと見られているのは、非常に古く紀元前、殷の時代です。この頃の青磁を指して、原始青磁、初期青磁とも呼びます。現在イメージされる青緑色のものが作られ始めたのは後漢から西普の時代、つまりは三国志の時代で、年代にすれば1世紀から3世紀にかけてのことです。現在の浙江省にある越州窯で盛んに作られました。


唐代に入ると、青磁は文人や知識人、上流階級の貴族の中で珍重されるようになります。青磁の色が碧玉や翡翠に近い色であり、君子が身に着けていた宝石のような美しさが徳の高さを表すと考えられたためです。



青磁の色合いの秘密は釉薬と焼き方にあり

青磁が美しい青緑にしている立役者は、表面に塗られる釉薬(うわぐすり)です。陶磁器の表面に釉薬を塗ってから焼くことで、釉薬がガラス質に変化して耐水性や強度、さらには鮮やかな色を付けることもできます。青磁に使われる釉薬には鉄が含まれており、高温で焼くことで独特の美しい色合いとなるのです。

焼き方にも特徴があり、窯内の酸素を制限しながら焼くことで、釉薬中の酸素が化学変化を起こし、青緑色に変色します。同じ釉薬をかけたとしても、酸素が充分に供給されている場合は青緑色にはなりません。


また、青磁特有の現象に「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる、細かなヒビがあります。青磁以外の焼きものにも貫入は発生しますが、青磁の場合はとくに貫入が出やすく、また美しい色合いと細かく入るヒビが作り出す独特のバランス感が批評の対象となるのです。青磁の貫入は右上から左下に向かって入ることが大きな特徴で、これは中国のろくろは日本とは回転方向が逆であるために起こる現象です。青磁の貫入の方向が、真贋を見抜く際のポイントともなります。


現代でも価値が褪せない白磁

白磁が作られ始めたのは、青磁よりやや遅く560年から570年あたり、南北朝時代の北斉時代です。白磁の白さも釉薬によるもので、中国南部では青磁を、北部では白磁を焼く窯が多かったことから「南青北白」という言葉がありました。

唐代になると白磁生産も盛んとなり、文化・芸術が大きく発展した北斉時代には青磁、白磁の名品が多く作られます。日本でも有名なブランドとなる、龍泉窯の青磁、景徳鎮窯の青白磁が作られ始めたのも北宋~南宋の時代です。

 

白磁に使われる釉薬には鉄分が含まれておらず、鉄分の有無が色の違いとなって現れます。焼き方は青磁と同様に、窯内の酸素を制限しながら焼く方法が主流です。



世界中の文化に影響を与えた唐三彩

唐三彩は、葬儀の際に死者の生前をしのんで衣服などとともに埋葬される、副葬品として使用されていた陶器です。もともと唐三彩とは唐代の釉薬の色自体を指していましたが、次第に唐三彩が施された陶器全体を指すようになりました。

唐三彩は焼く行程を2回に分けて行うことが特徴で、1回目では原型を作ってからまず素焼きにし、冷やした後に釉薬を塗り2回目の焼きに入ります。銅や鉄、マンガン、コバルト、アンチモンなどが配合されている唐三彩の釉薬は、鉛釉(なまりゆう)とも呼ばれ、漢の時代に西域から伝わったとされています。鉛釉により、藍色や紫色、クリーム色などさまざまな色を出すことができ、鮮やかで美しい見た目が生まれるのです。

唐代の中国で生まれた唐三彩は西アジア、そしてイタリア、また日本にも伝わり各地域の陶磁器にも大きな影響を与えました。


おわりに

中国陶磁器の魅力は、掘り下げていくと世界の歴史を知ることにもつながり、いくら知っても知り尽くせないほど深いものです。歴史的にも文化的にも価値のある青磁、白磁、唐三彩などの中には、驚くほど高値がつくものもあります。

もし中国陶磁器をお持ちでしたら、査定依頼をしてその価値がいかほどか確かめてみてはいかがでしょうか。


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