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鳳凰

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鳳凰

鳳凰瑞祥(ずいしょう)と呼ばれる、めでたいことが起きる前兆で現れるとされた縁起の良い鳥の代表で、雄のことを鳳(ほう)雌を凰(おう)と呼びます。徳の有る天子(皇帝)が出現した時に表れ、雌雄が一緒に羽ばたいて共に鳴けば、天下泰平である証とされました。

龍と同様に殷・周期の青銅器の文様に表れた始まりから、時代を追うごとに変化を重ねます。輿服の制において龍が工程を象徴したように鳳凰は皇后の象徴とされ、龍文の次に位の高い文として扱われています。

殷・周の鳳文

殷時代に、饕餮文(とうてつもん)に付随した文として登場し、西周時代に主文の地位をえて飾冠か翼尾が華やかな鳥の形態になります。戦国時代には蟠螭文のように龍文とS字型に絡まりあう文様に変化します。青銅器の鳳文は龍の文に似ていますが、くちばしの形がかぎ状かどうかで区別を付けます。

漢・隋・唐の鳳文

漢時代には鳳凰ははっきり鳥だとわかる形になり、鳳凰の飾冠(とさかのような部分)と尾が強調されています。隋の時代に入ると、両翼を広げて長い尾は跳ね上がったように描かれ、動きのある動作で描かれます。走る鳳凰の姿は、日本の正倉院の宝物によく現れています。唐代には花飾りや瓔珞(ようらく:仏具の花飾り)をくわえた花喰鳥と呼ばれるデザインの文様が流行しました。

宋・元の鳳文

宋時代には、鳳凰は両翼を広げて飛ぶ姿で描かれています。唐の時代に強調されていた脚は、ここでは描かれていません。宋を代表する焼き物の磁州窯の描き落としや鉄の釉薬で描かれる鉄絵によって描かれた鳳凰文はそれぞれバラエティーに富んでいますが、数本に分かれた尾がとても長く引き延ばされて表現される点に 共通点が見出されます。元時代の鳳文には宋時代の、飛翔している鳳凰のデザインを引き継いだ部分もあり足は省略されています

明の鳳文

明時代の鳳凰文は首が以上に細長くなり、中には唐草状に絡まる鳳文も見られ、鳳凰の文様はより想像的な姿になります。鳳凰の頭部にはぽってりとした額に切れ長の目を持つ特徴的な顔で表現されます。

清の鳳文

清に入ると唐以来久しぶりに鳳凰に脚が描かれます。清の鳳凰の脚は唐の鳳凰と比べると華奢で長く羽毛が青海波文様のように規則正しく並べられ、長い尾は優雅に翻る様子が描かれています。 全体が繊細で美観の洗練が見受けられます。

  • 龍鳳文(りゅうほうもん)

  • 龍と鳳凰を向かい合わせにして円形を構成する文様、珠取龍文の二龍のうちの片方を鳳凰に変形したタイプの文で、円の中心に宝珠が置かれています。

  • 団鳳文(だんほうもん)

  • 陶磁器や漆器などに幅広く使われる、一対の鳳凰を向かい合わせに配置し円形に表した文様で、双鳳文(そうほうもん)と呼ばれています。

番外編~迦陵頻伽 かりょうびんが~

迦陵頻伽は頭が人間、からだが鳥という仏教における想像上の鳥で、サンスクリット語の「カラビンカ」を音訳して付けられた名称です。

特に鳴き声が美しいとされており、日本では声が美しい芸妓や芸者、花魁を表現してこの言葉を使われることがあります。迦陵頻伽は生まれる前の卵の殻の中にいる段階から鳴くと言われていることから、「妙音鳥」「好声鳥」「逸音鳥」「妙声鳥」とも意訳されました。中国の敦煌市の仏教壁画には顔が人間、身体部分が鳥の姿で舞う姿や楽器を奏でている姿が描かれています。唐の初期から中期にかけて使われ、仏教壁画や石刻、鏡や陶磁の文様に見られますが、唐以後は非常に出現率が低い図案になっています。

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