日本のパイプメーカー~柘製作所
世界のパイプ愛煙家の間でもコレクターの多い柘製作所(つげせいさくしょ)は、パイプを中心とした喫煙具類、葉巻などのタバコ類、シガレットケースなどのアクセサリー類も扱う日本のメーカーです。
1936年、象牙のシガレットホルダー製造のため、柘恭一郎によって柘製作所は設立されました。
第2次世界大戦で、柘恭一郎が出征した際は、工場では軍需工場として木製の銃床を製作していました。戦後、1945年柘恭一郎は復員しますが、時代は象牙の入手が困難となっていました。
しかし、終戦直後に進駐軍によるパイプたばこの放出や、日本の歴史上でも有名となったアメリカ・マッカーサー元帥がパイプを咥えて厚木飛行場に降り立った姿ことが報道されたことなどにより、パイプのニーズが高まり、柘製作所は本格的なパイプの製造に着手することとなりました。
次第に米軍向け贈答用象牙パイプも多く生産するようになり、これが米国軍人に大変気に入られ、評判となりました。
当時の柘製作所のパイプの素材は、国内の桜材が中心でしたが、のちにヨーロッパから材料を輸入し、本格的なブライヤー製パイプの製作を行うようになりました。
1970年代、デンマークのフリーハンド・パイプに注目が集まった時期には、柘製作所はヨーロッパのパイプメーカーに職人を視察に送ります。
福田和弘、佐藤純雄の2名も、ビックベン(オランダ)、ピーターソン(アイルランド)のパイプ工房や、シックステン・イヴァルソン、ヨーゲン・ラールセン、アンネ・ユリエのもとを訪ね、フリーハンド・パイプの見聞を広めました。
視察から戻った後、柘製作所は、本格的フリーハンド・パイプの製作をはじめ、現在では国際的に通用するパイプメーカーとして、日本のみならずヨーロッパやアメリカを中心にTSUGEブランドとして高い評価を得ています。
柘製作所のフリーハンド・パイプのポリシー
柘製作所のフリーハンド・パイプにおいては、オーダーメイドを一切受け付けておらず、職人が木材を見てそれにあった形のパイプに仕上げるという手法を取っています。
また、柘製作所のパイプはすべて塗装はせず、ブライヤーの木目を活かして製作されています。こうした自然な木目を活かしたパイプにすることで、吸えば吸うほど深みのある表面になっていくのだそうです。
パイプ職人の感性を尊重したものづくりを行うTSUGEブランドのパイプは、パイプ愛煙家からも高く評価されており、完成した製品は直ちに売り切れてしまう状況となっています。
柘製作所TSUGEブランドの主なパイプ
IKEBANA(イケバナ)
URUSHI(ウルシ)
BAMBOO(バンブー)
KAGA(カガ)
MIZKI(ミズキ)
TOKYO ARMY(トウキョウアーミー)など
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