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メリタのコーヒーフィルター

メリタのコーヒーフィルター

メリタのコーヒーフィルター

今回は「コーヒーフィルターの歴史はそのままメリタの歴史です」と言い切るメリタ社のなり立ちを追っていきます。 コーヒーを愛飲される方もそうでない方も、一度は見たことがある!という喫茶道具の一つに、白い陶器でできており円錐を応用した形のコーヒーフィルターと、コーヒーのペーパーフィルターが有りますね。実は、コーヒーをおいしく入れるためのペーパーフィルターが発明されたのは1908年と、骨董の世界からすると最近のことであり、約110年の月日が経っているという具合ですが、ペーパーフィルターが開発されるまでの経緯には興味深い紆余曲折が有ったようです。日ごろ何となく使っているものだからこそ、歴史が眠っているものなのですね。

メリタ社の由来となったのは1873年ドレスデン生まれのメリタ・ベンツという名前のドイツ人女性です。メリタは二男一女をもうけ、家族のために尽くす主婦として日々を過ごし、ホームセンターを経営するパートナーのヒューゴにコーヒーを入れることが毎日の日課でした。

ある時から、仕事と家事の両立にいそしみつつも「もっと効率的に淹れたおいしいコーヒーを飲みたい」と望んだメリタの試行錯誤が始まります。当時は金属製の濾過装置が付いたパーコレーターという器具でコーヒーを入れていたのですが、ろ過が不十分だったことからカップの内側や豆のカスが口の中に残ってしまい飲み口が良くない事にくわえ、タオルや布で濾すと、せっかくのコーヒーの香りが抜けて渋みや苦みばかりが出てしまうといった切実な問題がありました。


メリタ社 ヴィンテージのコーヒーフィルター

メリタに強い向上心を授けたのは、「世の中には常に自分よりも上をいく人間がいるものだ」と幼きメリタに説き、一代で立ち上げた出版社を成功させたメリタの父でした。1908年のある時、メリタは「コーヒーの濾過に紙を使ったことが無かった」ということに気づき、ハッとします。インクを吸い取る紙に近い、厚手の濾紙ならば、豆の粒子が落ちることなく、香味が保たれるのではないか?と思い至り、長男の子供部屋にあったノートの用紙を破り、実験を重ねます。紙のフィルターを用いた結果、豆の雑味が消えて美味しくコーヒーを入れることができました。これがペーパードリップの元となったアイデアです。

メリタ社の成長

熱心な研究はその後、長男のホルスト・ベンツら一族に引き継がれていきます。ペーパーフィルターを支え、濾過されたコーヒー液がどのように流れ落ちるとおいしいコーヒーになるのか?という問いから開発実験が展開し、最近には「一つ穴式でゆっくりと抽出されると香りが逃げない」という答えを導き出します。 メリタ社の成長の根底には一家が総出で商品のデモンストレーションを行いながら販売する営業手法にあり、ただ商品を販売するということだけではなく見る者を楽しませることを第一に考えるメリタのホスピタリティーが息づいています。パートナーのヒューゴは大戦に従軍しましたが無事に生還し、支えあうことが出来たたくましさも赤と緑色のパッケージに表れています。メリタ&ベンツ社を始めたメリタは、暮らしの場面のなかの困りごとがきっかけとなり、その後の常ごとではない熱意と試行錯誤の末に、紙とフィルターを円錐状あるいは台形にすることで豆が零れ落ちない、という答えにたどり着きました。以後、コーヒードリッパーとペーパーフィルターでコーヒーを淹れるシステムを創り上げ、世界中に普及させました。メリタ社は現在では性能が高くリーズナブルなコーヒーメーカーも製造し、世界中のカフェと喫茶店を支える企業として成熟しています。


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メリタ社は創設の1908年よりアルミ製のコーヒーフィルターを世界で初めて開発し、1930年代から陶器製のコーヒーフィルターを製造し、1970年代には販売促進のためのコーヒーセットやお皿も出していました。メリタの1900年代~1970年代のお品は贈答品としてコーヒーポット、カップ&ソーサー、ドリッパーのセットがあり、レトロなフォルムや色、パターンが豊富なこと、時代により仕様にわずかな差異があることから、近年ヴィンテージ好きに人気のある品の一種になっています。特にヴィンテージとしての人気がたかい品物のコレクションをご処分の際や、20~30年以上もの長期にわたり続けたお店を畳まれる際など、様々なケースでの実績を重ねているいわの美術へお問い合わせ頂きますと、値打ちが付くとは思っていなかった品にお値段が付くこともあるかもしれません。


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