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仏像彫刻品の種類や見分け方、時代ごとの特徴

仏像彫刻品の種類や見分け方、時代ごとの特徴

仏像彫刻品の種類や見分け方、時代ごとの特徴

仏像彫刻品は、寺院や美術館に安置、陳列されているものだけでなく、個人所有のものやお地蔵様など、多数現存しています。仏像彫刻品を見る際に、彫刻に関する知識があると、より興味深く鑑賞することができるのではないでしょうか。

そこで今回は、仏像彫刻品の種類や見分け方、時代ごとの特徴についてご紹介します。


仏像の種類

仏様の姿を彫り刻んだ像である仏像は、狭い意味では「如来(釈迦如来、阿弥陀如来など)」「菩薩(観音菩薩、地蔵菩薩など)」「明王(不動明王・愛染明王など)」「天(帝釈天・毘沙門天など)」の像を指します。

しかし、弘法大使や羅漢などの祖師像、僧形八幡神像などの神像も仏像に含めることがあります。


仏像の誕生

初期の仏像は、釈迦の姿を拝むために作られたといわれています。しかし、釈迦が亡くなってからすぐに仏像が作られるようになったわけではありません。釈迦の没後しばらくは、菩提樹や法輪、足跡などで釈迦は象徴的に表されていました。

生前の釈迦が、弟子に「自らを灯とし、法を灯とせよ(自己と法(真理)を拠りどころとしなさい)」と教えを説いたため、偶像崇拝がはばかられたことが影響していると考えられています。


その後、仏像が作られるようになったのはアレクサンドロス大王の東方遠征によって、西方のギリシャ文化や古代オリエント文化がアジアに持ち込まれた影響です。光背(後光)を背負うギリシャ風の顔立ちをした釈迦には、ヘレニズム文化が色濃く出ています。


ガンダーラ仏像の特徴

西北インドのガンダーラ地方と北インドのマトゥラー地方で最初の仏像が作られ、中央アジアから東アジアへと伝わっていきました。仏像が作られた時期は1世紀末から2世紀初めといわれています。

ガンダーラ仏像は、眉間の上の白く長い毛(白毫)、カールした長髪を頭上で束ねた肉髻、西洋人風の容貌,両肩を覆う厚手の衣に深く刻まれた襞などを特色とし,表現は具体的・現実的な傾向が強く、光背を背負っているという特徴を持ちます。


日本の仏像と時代ごとの特徴

日本には、木像、石象、塑像、乾漆像、金銅像などの仏像が存在します。木像が多く作られる時代もあれば、金銅像が多く作られる時代があるなど、時代によって仏像に使用される材質が異なります。ここでは飛鳥時代から鎌倉時代までの仏像についてご紹介します。


飛鳥時代

中国や朝鮮半島を経由して日本に仏教が伝わり、仏像も作られるようになりましたが、伝わって間もない飛鳥時代は釈迦如来、弥勒菩薩、観音菩薩の仏像に限られていました。

北魏様式と南梁様式の2タイプがあり、左右対称の幾何学的衣文、杏仁形の目、仰月形の唇があれば北魏様式、顔・姿が柔和な特徴を持つ仏像であれば南梁様式です。


白鳳時代

白鳳時代には仏像の種類が増え、南アジアやインド風の仏像も作られます。明るく若さにあふれた作風の金銅像が多くなります。代表的な仏像として、薬師寺の三尊像や聖観音像、法隆寺阿弥陀三尊像・夢違い観音像があります。


天平時代

天平時代には、国が寺の建立や仏像の造営、仏教の地方への伝播に努めたこともあって、技法も石造、乾漆造、塑造などのさまざまな技法で仏像が作られます。

写実的で美しい体型のものが多く、東大寺法華堂の日光・月光菩薩像や不空羂索観音像、東大寺戒壇堂四天王像、新薬師寺十二神将像が有名です。


平安時代初期~中期

平安遷都以後は木像が主流となり、密教派の多面多臂(複数の手と顔を持つ)の明王像などが多く作られます。豊満で切れ長の目が特徴です。観心寺如意輪観音像や神護寺五大虚空蔵菩薩像なども密教と結びつきのある仏像です。


平安時代後期

平安時代後期、遣唐使が廃止されると和様彫刻が中心となり、中でも仏師の定朝による「定朝様」が隆盛を極めます。伏し目・丸顔の穏やかな風貌と優美な体型が特徴です。

また、末法思想の影響により、三十三間堂などのような大規模な仏像群も作られました。地方にも豊後臼杵の磨崖仏群や奥州平泉の中尊寺の仏像などがあります。平等院や浄瑠璃寺の阿弥陀如来像も平安時代後期に生まれました。


鎌倉時代

鎌倉時代には、武士の気風を感じさせる力強く写実的な仏像が好まれるようになります。運慶らが中心となり、東大寺南大門金剛力士像のような大規模で巨大な像も造られました。

中国から「宋朝様」の仏像が伝来した時期も鎌倉時代です。


おわりに

中国や朝鮮半島から伝わった仏像は日本独自の進化を遂げ、現在では日本の伝統文化として世界から高く評価されています。時代ごとの特徴を押さえて、仏像の良さを深く味わってみてはいかがでしょうか。


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