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ペルシャ絨毯のお手入れと5つの長持ちのコツ

ペルシャ絨毯のお手入れと5つの長持ちのコツ

ペルシャ絨毯のお手入れと5つの長持ちのコツ

ペルシャ絨毯の美しさを長く保つ秘訣

良質なペルシャ絨毯であれば汚れは毛先とフリンジにとどまります。 織り目が強く締まり、毛先は均質で密度が高いため、普段の生活では織り目に沿って定期的に掃除機を掛けるだけで十分です。

しかし、長年のホコリの堆積やダニの除去など、ご家庭で不可能な洗浄は、絨毯専門のクリーニング店にお出し頂くことが最良の選択と言えます。

ペルシャ絨毯にとっての5つのリスク

ペルシャ絨毯は家具の下に敷かれることが多いお品物ですので、重い家具を置く場所にはウール製絨毯を選び、重い家具を置かない所にはシルク製の絨毯という選び分けをしていくことや、絨毯の耐久性を保つためには定期的に位置をずらして重さがかかる部分を分散していくことも大切です。

 

  1. 小さなお子様・来客が多いご家庭の場合:「飲み物や食べ物をこぼしてしまった!」 という事故も、ホームパーティや食事会、お酒の席が多いご家庭では「良く起こること」という慣れのために「中性洗剤を含ませた布で叩き、軽く汚れを落とす」など、場当たり的な対処をしてから長年放置…という結果になりがちです。とくにシルクの絨毯にアルカリ性の洗剤は禁物です。また、シミの原因となりますので色の濃いものをこぼしてしまったら布巾でこするのはNGです。大切なペルシャ絨毯の毛足にジュースの糖分やコーヒー、ワインのシミが定着する前に、こぼしてしまったら直ちにクリーニングへ出されることをお勧めします。

  2. ペットを飼っているご家庭:ペットの毛やフケ、抜けた爪やヒゲなどが知らないうちに落ちている可能性も高いため、通常よりもこまめにお掃除する必要が出てきます。

  3. 喫煙:わずかに火が残った吸殻や灰を落とされますと焦げの原因になります。本当にペルシャ絨毯を大切にしたいならば、タバコは避けた方が賢明でしょう。

  4. 陽射し:ペルシャ絨毯の一部分のみに当たり続けるような状態が続いてしまえば、日焼けによる状態の変化が査定に影響してくるため、直射日光の当たらない場所に敷くことが良いでしょう。

  5. 湿気の多い部屋:カビをふせぐために避けた方が良いでしょう。梅雨の時期や雨天が続いた跡などは、晴れ間の日を活用して風通しを良くしましょう。雨天で濡れたままのカバンやコートを絨毯の上に置きっぱなしにすることも避けましょう。

上質なペルシャ絨毯は、もともとはモスクと呼ばれるイスラム教礼拝堂や礼拝所の床に敷くために作られたものであるため、客間や玄関、踊り場、音楽の稽古をするためのお部屋など、目的がシンプルなお部屋に置かれるのが合理的かもしれません。


ペルシャ絨毯の産地・工房まとめ

ペルシャ絨毯の査定は、産地・工房名・大きさの種類・織りの密度・状態やデザインなど様々な条件を併せて評価が付いてきます。今回は5つの代表的な例に絞り、ご案内いたします。

  1. クム QUM:日本への輸入数が最も多いペルシャ絨毯です。イランのテヘランから120km南下に位置する町で絨毯生産は1930年代から始まった産地です。工房数は最も多く、緻密な織りで豊かな色彩を持つ絨毯が生産されています。歴史が新しいためアンティークは少ないのですが、現時点ではマスミ・ラジャビアンが父、兄、弟と続く著名な工房です。
  2. タブリーズ TABRIZ:イラン北西部に位置するペルシャの旧首都です。伝統的なモチーフを中心としつつも絵画的なデザインが多く、幾何学を効果的に用いた構図など新しい感覚を採り入れた絨毯を作っています。ファーヘル、べナム、アリナサッバ、カレバキなどが著名な工房として挙げられます。
  3. ナイン NAIN:イスファハンの北東150㎞に位置し、世界的な知名度が高い絨毯の産地です。ハビビアンという工房が有名でベージュ系のウールの絨毯が多くシルク製は少ない傾向があります。
  4. イスファハン ISFAHAN:イラン中部の高原地帯に位置し、2600年もの歴史をもつ都市です。16世紀から18世紀までサファヴィー朝の都として隆盛し、最盛期の王であったシャー・アッバス1世は絨毯産業を一番に美術工芸全般を国の主要な産業として発展させることに情熱と力を注ぎました。各地から優秀な職人たちを集め、王室専用の絨毯工房を設けたことで、イスファハンは絨毯の一大産地へと格を上げます。自然界の生命力と美を最大限に表現する伝統を守り抜かれたイスファハンの絨毯のデザインは、技術の確かさと王室の気品が伴った逸品です。セーラフィアン、ヘキマット、ネジャッドが著名工房です。
  5. カシャーン KASHAN:シルク絨毯発祥のイランの古都で首都テヘランから南へ約300Kmの場所に位置します。シード―サルが著名な工房です。サファヴィー朝時代から数多くの絨毯の傑作が作られており、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館に所蔵されている「アルデビル絨毯」が古典的な名作として知られています。コルクウールを用いて作る絨毯もしなやかで繊細な出で立ちから評価が高く、伝統を一番に尊重し中心部にメダリオン、四方にコーナーのデザインを組み合わせた絵柄が主流となっております。

以上のようにお買い上げの際の保証書や証明書・鑑定書の有無、寸法、工房名、原産国がある程度分かっているペルシャ絨毯は、査定も比較的スムーズに進めることが可能です。


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