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石臼と抹茶

石臼と抹茶

石臼と抹茶

物置や納屋、蔵を片付け始めたら「物の山の中から長年しまわれていた石臼が出てきた」という時もあるかもしれません。

写真の石臼は「茶磨」と呼ばれる石臼の一種です。国内のほとんどの抹茶の粉は京都府の宇治で作られており、現在では電動の石臼で抹茶が挽かれています。粉状の抹茶の原料はてんちゃ(碾茶)と呼ばれ、茶の木に覆いをかぶせて育てた高級の茶葉を蒸してから乾燥させたものです。通常の煎茶であれば蒸す→もむ→乾燥の工程をたどり、この煎茶葉を挽いたとしても抹茶の粉にはなりません。近年では「お茶プレッソ」という家電製品で通常の煎茶葉で栄養価が高い茶を作る機能が注目され、手軽で新しいお茶の楽しみ方として話題をあつめました。

しかし昔の茶臼や石臼は、現在ではダムに埋もれて採ることができなくなった宇治川の転石や、輝緑岩と呼ばれるつやがある石材が原料となっており、スイッチを押せばすぐに動く家電にはない天然素材ならではの美しさと強さを兼ね備えております。現代でも、石の茶臼で碾茶を挽き抹茶の香りを聞き、堪能することは最高に贅沢なことと言えるでしょう。薫り高い抹茶の粉を作るには石臼でなければならず、茶にとって石臼は切って切り離せない関係のある道具であり続けてきました。


石臼の仕組み

臼、という字は「臼歯」という単語に表される表現と同じように「搗く」ということを意味しますが、それがどのように成り立つのかを敢えて考えることは少ないかもしれません。くぼみの入った分厚い石を2段重ね、上の石板を回すことで摩擦を起こし、臼にかけた材料に力を掛けて砕くことによって粒子を小さくします。臼の目は五等分、六等分に放射状に広がる直線で、目がすれ違う際に材料の組織を壊さずに粒子を細かくできることが、粉体流学の観点からも評価されている点です。世界各地にあるパンや麺、おもち、粉を練った生地を焼く・蒸すなどの調理をしたメニューは、臼による製粉技術の進歩の賜物です。どのような時代においても形を大きく変えることのない石臼のメカニズムは、現代の工業とくに原子力発電のウラン燃料棒を作るのに必要なエローパウダーと呼ばれる黄色い粉末を作る際にも取り入れられた重要な技術です。


石臼と世界

石臼が無ければ作れない「粉」が材料の穀物料理は地球上に無数にあり、人類にとって穀物の粉は大変長い付き合いの食材であったことを世界中の石臼が証明しています。そして石臼は、病をいやす薬を作るためにも不可欠な道具として使われ続けてきました。

和骨董・茶道具の石臼と言われると、日本育ちであればついつい日本らしい円柱状の石臼が思い浮かびます。しかし世界各地の古い時代の臼や、挽く・搗くことで材料を細かくするための道具には様々な形があり、どのような種類があるのか調べながら見比べると、地味なように見えるけれど実は広い世界が広がっているようですね。



石臼を使いこなす 

石臼や茶磨の時代物が出てきた時「出てきた石臼をさっそく使ってみよう」と思い立ってすぐに挽いてしまうと、上手くいかない場合もあるようです。

長く置いてあった道具には、やはり事前の確認(挽き木や芯棒があるかどうか、それらは壊れていないか、きちんと動くか)に加え、すり減り・がたつきが生じた臼部分本体の手入れが必要だからです。石臼の「目立て」「目とり」「目切り」とは、石臼の溝目が挽く動きによって摩耗し、粉がうまく出なくなったところを直す作業のことを指しています。

そして、石臼で粉を挽く際には挽き手をゆっくりと回すことが大原則になっています。昔の人々は「粉ひき歌」を歌いながらゆっくり臼をまわしていました。ゆっくり回すと、臼を回した際の摩擦熱で材料の成分が壊れて味が落ちることが無くなることを、経験的に知っていたのです。江戸時代までは「めとり爺さん」とよばれる商売があり、家々を回って臼を直していたといいます。その後は太平洋戦争中の食料不足から石臼の需要は復活したそうなのですが、めとり爺さんはその頃すでに職業として存在していなかったため、目取りのような手入れや使いこなしがうまくいかず、石臼は庭に打ち捨てられ、納屋・蔵の中に入れっぱなしになってしまうようになりました。

日本国内には石臼が道端に打ち捨てられた様子をみて怒った寺の住職が作った石臼供養の塚が有名なスポットや、 石臼が大量に奉納され神社境内の敷石となっている神社もあり、そうした場所へ出向くと、昔の人々の食を支えてきた石臼への畏敬の念をうかがい知ることができます。

現在では一から自分の目で見て自らの手で作った信じられる食材が欲しいという人たちや健康志向の食を極めたいという方々に、じわじわと石臼の利用が見直され石臼を研究する学会も立ち上がっています。


石臼 買取

お家を片付けていて出てくる物の中でも、使う予定は経たないけれど存在感のある石臼はご処分が難しいと感じられる方が多い事でしょう。そんな時には、 特に、旧家や古民家に住まわれている方がお悩みのケースを数多く引き受けてまいりました、いわの美術がお客様のお力になれるかもしれません。大きな古いものでお困りの際には、戦前期まで使われていた古民具や農機具、荒道具もあわせて査定することができるいわの美術で、査定してみませんか?


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