オタールはフランスで生産されているブランデーの事で、フランス西部のコニャック地方で生産されるブランデーは「コニャック」と呼ばれています。
オタールにはグランド・シャンパーニュ地区、プティット・シャンパーニュ地区、ボルドリー地区、ファン・ボワ地区の吟味されたブドウを使っており、これらの品種は酸味が強くアルコール度数を下げてしまうため、ワインには向いていない品種です。
しかし、コニャックであるオタールの場合、長期間熟成を行うため酸味が香味へと変化する事から、コニャックに向いている品種といえます。
オタールはコニャック地方の中心を流れるシャラント川沿いにある古城シャトー・ド・コニャックで生産が行われていますが、この古城はもともとフランソワ1世が生まれた城でフランス革命まで王家が所有していたものでした。
こうして国に没収されたものをコニャック地方の市長をつとめていたオタール男爵に買取られ、コニャック造りが始まりました。
なぜ、オタール男爵がこの古城を買取ったのかというと、城の中は3メートルにも及ぶ分厚い石の壁によって平均気温が15℃に保たれ、シャラント川がもたらす90%という高い湿度がコニャックの熟成に向いていたためだといわれています。
そんなオタールは滴をイメージしたような独特のボトルをしているのが特徴で、熟成年数によって分けられています。
専門家によれば、オタールVSOPは5~12年熟成、オタールナポレオンは15年以上熟成、オタールXOは35年以上熟成、オタールエクストラは50年以上熟成されたものが瓶詰されています。