クリュッグはフランス北部ランスにあるシャンパーニュメーカーです。
フランスの数あるシャンパーニュメーカーの中でも最高級として知られ、その品質に対する孤高のこだわりから「シャンパーニュの帝王」と呼ばれています。
一度は飲みたいシャンパーニュとして、熱狂的なファンも多く、これらの人たちの事を「クリュギスト」と呼んでいます。
クリュッグは1843年にヨーゼフ・クリュッグによって創立し、現在まで続いているシャンパーニュメゾンです。
ヨーゼフ・クリュッグは幼い頃からワイン造りに従事しており、当時有名であったシャンパーニュメゾンのジャクソンでその技術を学びました。
その後、ジャクソンを経営するアドルフ・ジャクソン夫人の妹と結婚したため、自分のメゾンを立ち上げる事となり、クリュッグ&シャンパーニュという名でスタートしました。
最高品質のシャンパーニュを造り出す事だけを考えたヨーゼフ・クリュッグは、すべてを職人の手作業にこだわり、第一次発酵はすべてオークの小樽で行われています。
そして、150~200種類以上のワインがブレンドされ、6年以上もの熟成期間を経て独特の深く複雑な味わいを生み出しています。
また、1970年代に入るまで自社の畑を持っていなかったクリュッグは安定的なブドウの確保のため、1970年代はじめにすべてが100%格付けのブドウ畑26.74haを取得し、毎年必要なブドウの40%をまかなう事に成功しました。
19世紀後半になってようやくフランス国外でもその名が知られるようになったクリュッグは、イギリスでも高値で売買される事が多くなり、徐々にその名声を高めていきました。
現在はLVMHの傘下となっていますが従来と変わらず、伝統的な製法を守り続けています。
また、6代目当主であるオリヴィエ・クリュッグは日本に造詣が深く、新潟県燕市の玉川堂の7代目・玉川基行と意気投合し、鎚起銅器の技術に惚れ込み、日本の着物をイメージした優雅な形状のクリュッグオリジナルのボトルクーラーの製造を委託した事で知られています。