香具箱を買取ります
その名の通り、香道具を収納するための箱で、その多くは大名や武家の婚礼調度の一つとして重要な要素となった事から、伝来品には婚礼調度の豪華絢爛な香具箱が多くみられます。
香道具は香道で使用する道具の事で、香道は日本の伝統的な芸道の一つで茶道、華道と肩を並べる存在です。
香道は一定の作法のもとに香木を焚き、立ち上る香りを鑑賞するものと現在では認識されていますが、日本では595年(推古天皇3年)に淡路島に漂着した香木からその歴史が始まりました。
この時の日本香文化の源流は古代インドから中国を経て仏教と共に入り、香木が焚かれるようになった宗教的要素の強いものでしたが、平安時代になると、宗教儀礼を離れて、香りを聞いて鑑賞するようになり、室町時代では茶道や華道が大成するのとほぼ同時期に香道の作法も整い、芸道として香道が確立されました。
そして、江戸時代では貴族、武士階級の他に経済力をもった町人にも香文化が広まり、婚礼調度の要素が高まり、香具箱もその調度品の一つとして制作されるようになりました。
ちなみに香道には現在、御家流と志野流の二流派があり、簡単に説明すると御家流は貴族、公家の流派、志野流は武家の流派という違いがあります。
香具箱の特徴は蓋付の漆塗で、蒔絵などの装飾が施されている事です。
香具箱の中には香を鑑賞するための香炉や香、盆、火道具などが収納できるようになっています。
また、旅香具箱という香道具を携帯するための香具箱より少し小さ目のものも存在しています。