李朝家具を買取ります
李朝家具の李朝とは李氏朝鮮の略で正確には朝鮮王朝を指し、当時の中央政権を担ってきた高級官僚達の書斎道具とされている家具を「李朝家具」といいます。
李朝家具は長い歴史を持つ朝鮮王朝時代に作られており、儒教文化や当時のライフスタイルを色濃く反映されている実用家具で、柳宗悦や白洲正子など日本を代表する人物たちを魅了し、希少価値が高いために現在の骨董の世界では、誰もが欲しがる家具とまでいわれています。
また李朝家具を普段の生活の中で使ってきた両班(ヤンバン)達は文人であり、貴族としても常に清らか・上品・華やか・簡素でいる事を理想としていました。
中には山水などの景色が投影されている李朝家具もありますが金粉や顔料などを用いた贅が尽くされた絵ではなく、木目で表現されている家具もあり控えめな雅を感じる事が出来ます。
また日本の家具と比べると歪みや引出しのガタつきなどがあり大陸的で大雑把ともいわれますが、木の適材適所を心がけバランスを崩すことなく自然のままに作られており、温もり・優しさ・柔らかさが何ともいえない美しさを醸し出しています。
その他にも庶民が多く利用していたお膳にも人が使い続けた手ずれの跡や、元々は赤い色をしていた箪笥などの手を触れる部分が布で磨かれ黒くなる「馴染み」によって生み出されるグラデーションが李朝家具の魅力でもあります。
しかし日本の植民地時代に李朝家具は急速に失われていきました。
そのため、李朝家具が滅亡しそうになるのを目の当たりした日本人の李朝家具コレクターである湯川巧は、ソウル市内に美術館を建設し約50点の李朝家具を残しています。