大名時計を買取ります
大名時計は日本の江戸時代~明治時代初期にかけて制作、使用されていた和時計の事で、時計自体が当時は高級品で、大名や豪商などの富裕層が所持した事から大名時計と呼ばれていました。
その構造は現在の時計とはまったく異なった構造となっており、本体や歯車をはじめとする機構は真鍮で作られ、美麗な彫金の装飾が施されたものも多かった事、御時計師と呼ばれるお抱えの職人たちの手作りによる個性的工芸品だったため高価だったとされています。
日本に機械式時計が伝来したのは天文12年と記録に残されており、これはポルトガル人による鉄砲伝来と同じ頃といわれています。
しかし、外国から伝来した時計は定時法を用いていた事から当時の日本の不定時法に合わなかったため、伝来した時計はステータスシンボルとしての要素が強く、富や権力の象徴のような扱いをされていました。
そこで日本の職人たちは外国からもたらされた時計を倣製しつつ、やがて日本の風土と習慣にあわせ独自の改良と仕掛けを盛込んだ和時計が生まれたのでした。
大名時計を含む和時計の盤面は数字だけではなく、方角と十二支、そして様々な文字が書かれているのが特徴で、これは不定時法という日の出から日没までを昼とし、日没から日の出までを夜として、それぞれを6等分して時を決める方法を用いていたからでした。
毎日、朝夕に分銅の位置を変え速さを調節しないと正確な時を刻む事ができず、日本では明治6年に現在の時間の表し方である1日を24等分する定時法を採用する事となり、和時計は自然と姿を消していきました。
現在では一部のメーカーで製造が行われているようで、それ以外は実際に江戸時代などで使用されていたものが骨董品として出回り、コレクターなどに蒐集されています。
また、東京都台東区谷中にある時計の博物館は陶芸家・上口愚朗が蒐集した和時計が公開されています。