印を押す時につける朱肉の事で、書道では作品の最後に使用します。
ヨモギを乾燥させて作ったもぐさと、硫化水銀の朱砂と植物油を混ぜて作ったもので、天然の朱砂は高価なので、ほとんどの場合は人工的に水銀と硫黄を合成して作る珠砂を使用しています。
印泥は非常にデリケートな性質で、冬は硬く、夏は柔らかくなってしまい、他にも湿気や乾燥に弱いので、保存には注意が必要です。
また放っておくと油と水銀朱が分離してしまうので、そのまま作品に押してしまうと時間が経つと紙に油分がにじみ出てしまうので、染み出した油分は拭き取ってから使用します。
普通に使用する前は必ず「練り」の作業をして、印泥を専用のヘラで丸くしてから印に印泥をつけます。
使用後は塵やほこりなどのゴミが付着していないか確認をし、陶器や石器の器の蓋をしっかり閉めて湿気や乾燥が気にならない場所で保管します。