江戸時代から制作が始まった筆です。
政治経済の中心が京都、奈良から江戸へ移り武士や商人などたくさんの人が集まるようになり、「読み書きそろばん」を教える寺子屋が増え、それに伴って筆の需要が増えたのをきっかけに関西で筆作りの技術を学んだ職人たちが江戸の地に合わせた独自の筆を作ったのが始まりです。
西洋文化や関東大震災、昭和の度重なる戦火で多くの職人が東京を離れ、筆作りを断念し、残った職人達によって支えられていきました。
その後、高度経済成長期を迎え、機械化による大量生産によって、職人の手作りで大量生産のできない江戸筆は衰退する一方でしたが、根強いファンによって現在では書道家のニーズに答えてオリジナリティのある筆を作るようになりました。