墨床(ぼくしょう)は使用中(磨りかけ)の濡れた墨を一時的に置いておくための道具で、直接テーブルや机の上に置いてその周囲を汚さいないようにするために使用されます。
墨床は陶器、石、木材などで出来ていますが、中国の明や清の時代では玉(ぎょく)や琥珀などの貴重な宝石類で作られた墨床が確認されています。
このように貴重な素材で作られた墨床は精緻な装飾が施されている事が多く、古い時代では身分の高い人間への贈り物だったといわれています。
そのため、古い時代に作られ精緻な装飾が見られる墨床は中古市場でも高値で取引されているものが多く存在します。
中国では書道の道具である、筆、墨、硯、紙を「文房四宝」といい、主役としていますが、この他にも筆架、水滴、文鎮、硯屏なども重要な書道具とされてりこれらと並んで墨床の名も連ねる事ができます。
しかし、わざわざ墨床を用意しなくても濡れた墨を一時的に置くのであれば他のものでも代用が利くため、書道をやる人の中には墨床を使っていない人も少なくありません。