唐・宋の時代から作られている二酸化ケイ素を多く含んだ泥土から作られる自然石よりも優れた磨り心地を持つ硯です。
清の時代の乾隆皇帝はこの硯に心奪われたとも言われています。
一つの硯が出来上がるまでに半年はかかるといわれており、時間と手間がかかります。
まず、汾河の支流の泥土や唐代の地層を湖の底から採取そた泥土の中で、二酸化ケイ素が60%以上含まれてるものが原料の泥土となります。
選別された泥を小さく砕き、地面に並べて数日間天日に晒し、その後、清水に着け撹拌したものを目の細かいザルや絹を使って粗いものや不純物を取り除きます。
こうしてできた泥は袋に詰められ、日の入らない地下室で吊るして水切りを行います。
この工程では、夏と冬は泥の沈殿の状態が悪くなるので、風通しの良い春と秋に行われます。
半月以上かけて沈殿させた泥を袋から取り出し、黄丹團(酸化鉛との混合物)を適量に加え手で練り込み、木型に詰めて金槌で一定の密度になるまで叩き、取り出して陰干し~天日干しへとゆっくりと乾燥させていきます。
煉瓦のように硬くなった泥土は彫刻を施し、低温から高温へと徐々に温度を上げ、最終的には約1000度まで上げていきます。
小さい硯で2~3日、大きい硯だと1週間焼き続けます。
最後に蜜蝋の中に20分ほど漬け、ブラシやサンドペーパーで磨くと綺麗な艶が出て完成となります。
書道硯