筆洗は筆についている墨を洗い落とすための道具で、筆を洗えるだけの水を貯える事ができます。
墨の汚れがつきにくいように陶器で出来ているものが一般的ですが、贈答品などの特別な意味を持っている筆洗は陶器製のものは精緻な絵付けが見られ、陶器以外の素材では、玉(ぎょく)、水晶、翡翠といった宝石類で作られ、見事な彫刻が施されているものも存在します。
こういった筆洗は美術工芸品としての価値が認められ、観賞用として高い評価を得ています。
特に古い時代に作られた筆洗には骨董品としての価値はもちろん、歴史を知る上での大切な資料としての役割も持っているため、中古市場でも高値で取引されているものも存在します。
筆洗は筆のお手入れには欠かせない道具ですが、マグカップなど水を貯える事ができる容器であれば代用が利くため、書道をやる人でも筆洗を持っていないという人も少なくありません。
また、プラスチックの筆洗も売られていますが、先ほども述べたように書道では墨の色が筆洗に移ってしまうため、水彩画や日本画といった絵具を使用する際に使う方が向いている筆洗とされています。