奈良県奈良市、大和郡山市で作られる筆です。
獣毛(羊、馬、鹿、狸など)を使用し、一本の筆に10種類以上の獣の毛を混ぜ合わせます。
各種の原毛を個別に平目(丈を決める)を行い、毛質に応じて配分と寸法を決めて「練混ぜ法」によって時間をかけて毛組を行って完成した筆の穂先は仕上がりに絶妙な味がでます。
また、筆作りにはは100の工程を経て作られ、奈良筆には同じ種類の毛をいくつかの長さに切って、再び一つにする「切り戻し」という独自の技を使います。
奈良筆の始まりは、嵯峨天皇の時代に空海が唐から毛筆の製法を学び、大和国(奈良)坂井清川に伝えて筆を作らせ、嵯峨天皇に献上したのが日本の筆のはじまりであり、奈良筆の誕生でもありました。
室町時代以降、諸大名の御用筆師として筆作りを行ってきたので、筆の製造技術は高く、奈良筆と筆製造の技術は、日本各地へと伝わっていきました。