蘭亭硯(らんていけん)は中国の書家・王羲之によって書かれた『蘭亭序』を図案化したものが彫り込まれた装飾性の高い硯の事です。
蘭亭硯の名称の由来はこの『蘭亭序』からきており、図案化したもの以外にも『蘭亭序』の前文も刻み込まれている事が特徴です。
蘭亭硯の図案は漢民族の再興を祈願して蘭亭の自宅に当時の名流41人を集め行われた「流觴曲水之宴」の様子を描いたものです。
そのため蘭亭硯の多くには、硯の面を流れる川に見立て、上部に蘭亭の建物と王義之の姿が描かれている事が多く、側面には詩をつくり、酒をくみかわす文人達の姿、背面には蘭亭序の前文が刻み込まれています。
ちなみに『蘭亭序』を書いた王義之は、楷書・洋書・草書の3体を芸術として確立させた人物として知られ、中国のみならず日本においても、書を志す者ならば必ず手本とするため「書聖」と称えられています。
そんな蘭亭硯の中で最も有名なものは熊本の細川家が所蔵していたもので、宋の時代に作られた貴重な硯としてその価値は8,000万とも1億ともいわれています。
そのため、現在は熊本県立美術館が所蔵しており、適切な場所で管理されています。
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