中国浙江省青田県で採石される中国4大印章石の一つで、割れにくい事から彫刻に適しており、最も一般的な印材として知られています。
ちなみに中国4大印章石は青田石はもちろん、昌化石、寿山石、巴林石とされています。
そんな青田石ですが大きく10種類に分類する事ができ、細かく分類すると108種類が存在すると言われています。
一般的には薄い緑色をしている石ですが、「封門」と呼ばれる青田石は、わずかに透明で薄青色に黄色の帯を付けているような姿をしているものは玉(ぎょく)のようにキラキラと輝いて見えます。
この他にも半透明の「灯光凍」や、色が奥深い蘭の「蘭花青」があり、この3種類は田黄石、鶏血石と並び称され、「三大佳石」と呼ばれ、高値で取引されています。
ちなみに一番安価な青田石は「図書石」と呼ばれるもので、中国元代末期の画家・詩人・篆刻家として活躍した王冕によって発見された花乳石が「図書石」ではないかと言われています。
また、清の時代では優れた青田石彫刻家が皇帝に献上したという記録が残されており、乾隆帝が80歳の誕生日を迎えた際、大臣の一人から1セット60個の青田石の印鑑が贈られ大変喜ばれたと伝えられています。
その印鑑のセット『宝典福書』は紫檀箱に収められており、現在は北京故宮博物館に所蔵されています。