端渓硯は中国の伝統的な実用品と工芸品としても知られており、「硯の王様」「硯の帝王」などと呼ばれ、広東省肇慶市で産出される原石によって作られています。
唐の時代から採掘されるようになり、宋代で隆起したもので現在でも高値で取引されている硯の一つに挙げられます。
端渓硯の石質は極め細かく、息を吹き付けても墨をすることができるほど墨のおりが良く、筆を傷める事がないなどの特色があり、書道家たちから重宝されています。
石材の色や紋様によって魚脳凍、蕉葉白、青花、氷紋、石眼などと名称が付けられており、紋様や色によって端渓硯の価値が変わってきます。
端渓硯の価値はこの他にも採掘される坑によってランクづけがされており、上から順に老坑、坑仔巌、麻仔坑、宋坑、梅花坑、緑石坑となっています。
ちなみに緑石坑は現在ではほとんど採掘されていません。
また、端渓の石は細かい彫刻にも適した石質をしており、様々な意匠の彫刻を施した端渓硯も見られ実用性よりも美術的価値、骨董的価値が高いものも存在します。
特に古い時代に作られた端渓硯には数百万円もの値が付けられているものも存在します。
肇慶市にある「端渓名硯廠」では中国で唯一の国営工場として知られ、政府の管理のもとに端渓硯の品質保持につとめており、端渓硯の価値が守られています。
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