田黄石は石印材の王者と言われるほど、他の石と比べても群を抜いて高値で取引されているものが多く、時には最高級の印材と言われている象牙よりも高値で取引され、オークションでも数百万~数千万円もの値がつくことがあります。
高値の理由としては、流通している数が少ない事も関係ありますが、温・潤・細・結・凝・膩の六徳が揃っている「最高の印材」という事が大きく影響しています。
そのため、希少性の高さから偽物が多く出回っている事で知られています。
田黄石は寿山石の一つで黄色っぽい色をしているのが最大の特徴で、この色も名前の由来の一つとなっています。
田黄石が採れる場所は中国の寿山郷と呼ばれる数キロ四方の山の中の水田で、他の石が採掘して発見されるのに対して田黄石の場合、水田の中に転がっていると言われています。
そんな田黄石は清時代の初期には採り尽されたといわれていますが、今でも一攫千金を目指して探している人もいるようです。
しかし、田黄石を見つけ出すには莫大な費用がかかるため、これまでに田黄石を見つけられずに破産してしまった人も多くいるようです。
田黄石は黄色っぽい色をしているのが特徴と述べましたが、微妙な色合いによって、黄金黄、鶏油黄、橘皮黄、熟栗黄、枇杷黄、桂花黄、金抱銀(金裏銀)、銀抱金(銀裏金)など呼び名が変わってきます。
もちろん、ランク付けもされていますが、人気は見る人の好みに左右されるため、収集家の間ではランクはあまり関係ないとされています。