茶墨は漢字、仮名、水墨画、絵手紙などに使える固形の墨の事です。
青墨や赤墨と煤の原料が違うわけではなく、菜種油の芯焚き油煙墨の淡墨の色を茶系として、これより赤く感じるものを赤系、青く感じるものを紫紺系・青系に分類しています。
そして、赤系・茶系の粒子は一般的には細かい粒子の集まり、紫紺系は細かい粒子と粗い粒子の混合体、青系は粗い粒子の集まりという違いで色味が変わっているのです。
なぜ、色味が変わってくるのかというと、それは粒子の大きさによって見える反射光が変わってくる事によって生み出された色という事だからです。
そのため、実際に茶の色をした墨という事ではなく、薄く使うと温かみのある落ち着いた雰囲気を出せる事から、主に淡墨用の墨として使用されています。
そんな茶墨は清書や作品用として使われる事が多く、古くなればなるほど個性が表れます。
また、茶墨には油煙墨しかないと思われがちですが、確かに茶墨は油煙墨が多いですが、松煙墨も数が少ないですがしっかりと存在しています。