凍石とは印鑑や篆刻などを製作するための印材の一つで、緻密質な滑石で、蝋石や石筆石と呼ばれたりもします。
その石質は軟らかい方なので印材として彫りやすい石とも言われています。
そのため、はっきりとした刻字がつくりやすいのが特徴です。
また、凍石は古くから使われてきた印材としても知られ、メソポタミアの円筒形印章、エジプトのスカラベ、中国の彫像の素材としても使われていました。
凍石の見た目は氷のように透けている印象を持っており、白、赤、緑っぽいものなど様々な種類が存在します。
そのため、採掘される産地や種類によって昌化凍石、新疆凍石、広西凍石、粉紅凍石など「○○凍石」と名前が違ってきます。
また、凍石は高周波絶縁材料に用いられる人工材料のステアタイトの原料として使われており、ステアタイトは磁器の生素地として使用され、透光性を増すために素地に添加物として混ぜられる事もあります。
ちなみにこのステアタイトは1890年ごろからドイツで使われ始め、1900年代に入って世界各地に広まっていきました。