創業年=1926年
創業国=ドイツ
「コンタックス」は、ドイツのツァイス・イコンのレンジファインダーカメラのブランドおよびカール・ツァイスと日本のヤシカとの共同事業として、1975年に販売が開始されたカメラのブランドでもある。「コンタックス」は高級カメラとして世界的に知られており、レンズにゾナーを搭載したコンパクトレンジファインダーの「コンタックスT」シリーズやコンタックスマウントと採用した一眼レフの「コンタックスRTS」などはライカと比肩しうる名機といわれている。
1926年に設立されたツァイス・イコンが最初に「コンタックス」(Contax I)を製作したのは1932年である。ライカ判レンジファインダーカメラで、同社のフラッグシップ機として設計された。長大な基線長の高精度な連動距離計を持ち、「テッサー2.8cmF8」を除きすべての交換レンズに連動する。その外装色から「ブラック・コンタックス」と俗称された。コンタックスはその設計コンセプトが「作画意図の高忠実再現」であり、ツァイス・イコンが持てる技術力を投入して開発し、そのため撮影結果は当時の24×36mm(ライカ)判カメラの中で最高であったが、非常に高価であった。初期型以降改良を重ね、研究者にも数えきれない程、多数のバージョン版が存在している。
一眼レフカメラで「コンタックス」ブランドとして発売されたのは、1949年の「コンタックスS型」(Contax S)が最初である。ペンタプリズムを採用した量産一眼レフカメラとして世界初。レンズマウントには「M42」マウントが採用された。縦走りシャッターでは上側シャッタードラムとペンタプリズムやミラーとの干渉が問題になることから、横走り布幕シャッターが採用された。
第二次大戦後、東西ツァイス間の訴訟を経て、一眼レフ「コンタックス」のブランド名は、それぞれ東西陣営側のみの使用となった。東側のツァイスのコンタックスが西側に輸出された時は、「ペンタゴン」となり、後に「プラクチカ」のブランド名となった。
西側のツァイス・イコンが1971年にカメラ事業を中止した後、カール・ツァイスは日本のカメラメーカーヤシカとブランド等に関するライセンス契約を締結し、以後「コンタックス」(CONTAX )はヤシカが製造・販売するカメラのうちカール・ツァイスブランドのレンズを採用した高級機種に付けられるブランド名となって復活した。1983年ヤシカは京セラに吸収合併され、コンタックスブランドも同社へ引き継がれた。しかし、2005年、京セラはコンタックスを含むカメラ事業およびコンタックス事業終了を発表し、現在コンタックスは再び休眠ブランドとなっている。