創業年=1928年
創業者=アウグスト・ナーゲル
創業国=ドイツ
ナーゲルカメラ工場(略称Nagel-werk)は、かつてドイツに存在した写真機メーカーである。創業者はアウグスト・ナーゲル(August Nagel)である
アウグスト・ナーゲルは1908年に設立したドレクスラー・ナーゲル社の創業者の一人であり、その後、会社合併に従いコンテッサ・ネッテルを経てツァイス・イコンの技師となっていたが、1928年にツァイス・イコンを退社し、ナーゲルカメラ工場を創業した。
ナナーゲルカメラ工場は、1931年にアメリカのコダックに買収され、ドイツ・コダック社となった。ナーゲルの高い技術力を買っていたコダックは、製品に「ドクター・ナーゲルのコダック工場にて製造された」(Made by Kodak A.G. Dr. Nagel-Werk Stuttgart Germany )と刻んだ。
1934年、ドイツ・コダック社は、アウグスト・ナーゲルが開発した35mm判蛇腹折り畳み式カメラ「レチナ」を発売する。同機は、戦後1960年代まで、ドイツの高品質な小型カメラの代表機となり、ベストセラーシリーズとなる。「パトローネ入り35mmフィルム」を最初に発売したのは、アグフア社であったが、一般的になったのはレチナの大ヒットがきっかけである。またモーターによるフィルム給送が一般的になる以前によく使用されたレバー巻き上げもレチナが元祖である。
現代でも、ボディー上蓋にレバーを置きフィルムを巻き上げる方式はモータードライブを内蔵しないカメラでは一般的であるが、この方式は1951年に「レチナIa」、「レチナIIa」で初めて採用され、エルンスト・ライツ(現ライカ)の「ライカM3」発売までは「レチナ式」と呼ばれていた。
その他、127フィルム使用カメラ「ボレンダ48」(4×3cmベスト半裁判、1931年)なども製作している。