発売年=1952年
創業国=ロシア
「ZENIT」(ゼニット)は、ロシアのカメラ・レンズメーカーであるクラスノゴールスク工場(Krasnogorsk Mechanical Factory)が1952年から製造・販売した35mm一眼レフカメラのブランド名である。
クラスノゴールスク工場は1942年に設立され、旧ソ連のカメラメーカーであるアーセナルと提携し、「TSVVS」というコンタックスマウントのライカ型の内部機構を有するカメラを共同生産した。「ZENIT」は、1948年から78年にかけて製造されたライカコピー機である35mmレンジファインダーカメラ「ZORKI」(ゾルキ)にミラーボックスを"増設"した形で登場した。その後、モデルチェンジやいくつかの派生型を生みながら、2000年代に至るまで生産されてきた。
「ZENIT」は「ゼニットマウント」と呼ばれる「M39マウント」である。これは、ゼニット独特のスクリューマウントで、ライカLマウントと同じ39mmのねじ径で、フランジバックがM42とほぼ同じ45.3mm程度(M42マウントは45.46mm)のマウントである。また、M39マウントは、1950年代初め頃の「「ZENIT」」に始まり、1962年~1970年にかけて製造された「ZENIT 3M」をへて、1970年代前半に製造された「ZENIT E」、「ZENIT B」の一部まで製造された。
1955年から61年にかけて製造・販売された「ZENIT S」は、初代「ZENIT」にシンクロ接点を付けたゼニットマウントの1眼レフカメラで、当時製造されていたレンジファインダーカメラ「ZORKI」のマウント部を前に出し、ミラーおよび1眼レフ用ファインダーを付けたものであるため、1眼レフとしては小ぶりである。付属レンズは最初の頃は「Industar-22」であったが、多くは「Industar-50」である。