中国・河北省成安出身の画家で、字(あざな)は晓封、号に迟园などがあります。
字とは昔の中国で成人男性が実名以外につけたあだなのようなもので、号は画家・文人・学者などが本名の他につける名の事を言います。
国立美術学院を卒業し、芸術専門学校の西洋画科へ入学しますが、中国画に編入し、中国画と洋画の技術をさらに高めました。
卒業後は、同校で助手・講師となり、後進の指導に尽力しています。
また、清末から活躍した画家 ・書家・篆刻家で現代中国画の巨匠と評される、斉白石にも師事しており、精緻な花鳥画・鳥獣画を学んでいるため、王雪涛の作品には花鳥画や動物画が多く、写生を重視した作風は小さな虫や動物まで生き生きと表現されており、艶やかで豊富な色彩でと屈託のない筆さばきは実に見事です。
西洋画を学んでいる経験やヨーロッパ各地を遊学した経験もあるため、伝統的な中国画に西洋の技術を加えた独自の作風はその技法と共に中国美術界に大きく貢献しています。
王雪涛が画家として生計をたてるようになったのは、日清戦争勃発がきっかけで、教職を辞め、以後は自らの作品を販売する事で生計をたてていました。