中国・江蘇省宜興に生まれた女性の陶芸家です。
紫砂壺という中国茶を飲むのに欠かせない、日本で言う急須のような道具を手掛けており、中国国家級紫砂大師(中国工藝美術大師)として認められており、この中国国家級紫砂大師とは日本で言う人間国宝(重要無形文化財の認定を受ける)にあたります。
汪寅仙が生まれた宜興は、紫砂壺の原料となる紫泥の採取場所としてとても有名で、古くから多くの茶壺職人たちが活躍してきた街として知られており、宜興の紫砂壺は最高品質と謳われ、名工が手掛けた紫砂壺ともなると百万円単位の金額で取引されており、中には数千万円で取引されている紫砂壺も存在します。
そんな紫砂壺の街で育った汪寅仙は、14歳から紫砂壺について学びます。
女性らしい感性を取り入れた装飾性の高い紫砂壺は高い技術を必要としているため、汪寅仙の名は紫砂壺界に広く知れ渡り、大きな影響を与えた作家の一人として今でも高い人気を誇っています。
汪寅仙の作品は自然からインスピレーションを受けて制作されており、紫砂ならではの色合いを残しつつ、独特な形状や模様に特徴があります。
そのため、中国国内のみならず、日本、アメリカなどの200以上の地域で紹介、展示が行われており、国際的にも多くの賞を受賞している事から多くのコレクターがいる事でも知られています。
簡単に手に入れる事の出来ない汪寅仙の作品は、上海博物館、香港文化財館南京博物院、台湾歴史館などに収蔵されており、手に入らなくてもそこへ出向けば実際に見る事ができます。