黄賓虹は中国・安徽省歙県に生まれた近代山水画家です。
字(あざな)は「樸存」で、号は「予向」「虹廬」「虹叟」です。
幼少時代から勉学の傍ら、父から絵画・篆刻を学び、
15歳では見事な山水画で世間を驚かせました。
その後は上海・北京・杭州などの美術学校で教鞭をとり、
用筆と用墨を重点的に指導しました。
また、同時に出版社へ就職し、編集を担当しました。
ヨーロッパへ留学した事もあり、中年頃からの作品は
伝統の中国画に洋画の要素を加味し、華美な絵画世界を樹立しました。
美術史料の収集にも精力を注いでいた事から
後世の美術史に大きく貢献し、
近代中国山水画家の代表者として現在でも確固たる地位を得て、
90歳では「中国人民優秀的画家」の称号を受賞しています。
中国各地を周り山河を写生していましたが、
特に故郷の黄山・新安江の山水に魅了されていたそうです。
また、金石文にも精通し、篆刻をよくしたとされています。
1865年 生まれる
1869年 父から絵画・篆刻を学ぶ
1892年 家庭教師をする
1906年 新安中学の教師を担当
1911年 アメリカに留学
1918年 美術研究会の創立に参加、帰郷
1923年 上海師範専門学校で中国画の講演をする
1926年 上海芸観学会を創立
1929年 中国学会の創立に参加
1930年 ベルギーの国際博覧会で最優秀賞を受賞
1953年 中国人民優秀的画家を受賞
1955年 92歳で逝去
秋林图
黄山画家源流考
画学编
金石书画编
虹庐画谈
画法要旨
黄宾虹画语录