中国の清の時代に活躍した詩人で、錫の茶器に画や詩文を刻んだ名工としても知られています。
日本でも沈存周の銘の入った中国茶器は高く評価されており、中古市場でも高値で取引されています。
中国におけるお茶の歴史は三国時代からだといわれており、上流階級によって始まった文化でした。
唐、宋、元、明と少しずつ形式を変え、上流階級の文化から庶民の文化としても浸透していきながら沈存周が活躍した清の時代では茶文化の華が咲き、香りを楽しむお茶が増え、現在の中国茶の楽しみ方が形成された時期でした。
沈存周の茶器は実用性はもちろん、美術品、芸術品としての人気も高く、沈存周が亡くなった後の時代になってもその人気は衰える事はなく、錫の茶器に「沈存周」の名を刻んだ中国茶器がたくさん作られています。
これは偽物という形ではなく「沈存周」という名をブランド化したような形で作られたもので、沈存周以外にも著名な文人やアーティストなどが参加して名前を出している事もあります。
また、沈存周には別号の「仙子」という文字を刻んだ錫の茶器の制作を行っており、詩文を刻んだ作品は高い人気を誇っています。
沈存周の作品は茶壺(茶入)や茶托などを中心に多くの中国茶器を手掛けました。