中国・江蘇省宜興に生まれた紫砂壺作家で、字(あざな)は绳武、号は承甫などがあります。
宜興蜀山利用陶器公司の技術顧問や江蘇省第五中学の校長をつとめるなど後進の指導にも尽力しており、多くの茶壺の制作を行いました。
茶壺とは中国茶器の一つで、日本で言う急須の役割を持っており、范大生の出身地である中国・江蘇省宜興は茶壺作りのために必要な朱泥、紫泥の有名な産地で、古くから茶壺作りが盛んに行われていた地域でした。
そのため、范大生も幼い頃から茶壺に親しみ育った事で茶壺作家を志し、素朴な造形ながらも独特の面白みを持った茶壺を手掛けており、現在も変わらず高い人気を誇っています。
有名な大型陶塑「雄鷹」は、ロンドン・シンガポールの展覧会で金賞を受賞するほどの評価を得ており、その他にも「寿桃壺」という花とコウモリ、桃をデザインした茶壺を多く制作しています。
これは中国ではコウモリも桃も縁起物とされている事から范大生も多く制作したと考えられています。