16世紀後半、中国の明末期頃に活躍した宜興窯の陶工で、紫砂茶壷作家として時大彬、徐友泉、李仲芳、陳仲美、陳用卿と共にその名が知られています。
紫砂茶壷とは中国茶を飲むために使用する日本で言う急須の事で、美術的価値と実用性を兼ね備えたものが多く、特に宜興の紫砂土で作られた茶壷はお茶を美味しく淹れられると現在でも高い評価を得ています。
陳子畦はその紫砂茶壷の名手として数多くの茶壷を残しており、一寸の狂いもない端正な造形がどこから見ても美しく、多くの美術品収集家の間で人気が高い事でも知られています。
あまりの人気の高さから、偽物も出回っており、注意が必要な作家の一人です。
また、茶壷以外にも筆筒、鉢などの制作も行っており、茶壷に比べて制作数は少ないですが、こちらも高い人気を誇っています。
また、陳子畦が活躍した宜興窯は中国八古窯の一つで、明代以降に栄えた釣窯系の雑器や朱泥、紫泥の茶器を生産していた事でも有名で、現在でも江蘇省宜興市の郊外を中心に紫砂壺を中心として、国営工場も含め作陶は盛んに行われています。