創業年=1891年
創業者=ウェブスター・クレイ・ボール
創業地=アメリカ(クリーブランド)
1891年、ウェブスター・クレイ・ボールにより、アメリカのクリーブランドで設立された時計ブランド。
創業の経緯は、米国オハイオ州の小さな町キプトンで発生した列車衝突事故にある。機関士の時計が何らかの理由で4分間だけ遅れ、車掌も自分の懐中時計で確認することを怠ったことが原因だった。この"空白の4分"で列車が衝突し、両車両の機関士と9名の乗務員が犠牲となった。
キプトンの列車事故で、精度の高い時計が必要とされ、陣頭指揮を執る人物としてウェブスター・クレイ・ボールに白羽の矢が立った。
ボールは列車が安全に運行するために、正確性・視認性・携帯性を追求し、5姿勢以上の調整で1週間の誤差30秒以内、アラビアインデックス、ブレゲひげゼンマイなど、鉄道時計の基準を作り、併せて検査システムを考案。全米の75%の鉄道がボールのシステムを採用した。
キプトンの悲劇から120年が経った現在、ボールウォッチはスイスの製造技術を取り入れてさらに進化を遂げ、従来夜光の70倍以上明るく、10年以上も発光が継続するマイクロ・ガスライトなど最先端技術を搭載したモデルを展開。
2004年、民間企業による有人宇宙飛行に初成功した宇宙船操縦士をアドバイザーに迎え入れたモデル「エンジニア ハイドロカーボン」を発表。視認性に優れ、7500Gsの耐衝撃試験をクリアし、333m防水を誇るスペースウォッチは、「安全第一」を追求した同社の主力ラインとして君臨している。