創業年=1999年
創業者=リシャール・ミル
創業地=スイス(ル・ブルルー)
「時計のF1を作る」。このコンセプトのもとに、幾多のラグジュアリーブランドでマネージメントを務めたリシャール・ミルは、1999年にスイスで会社を立ち上げた。
リシャール自身はコンセプトを練り、実際の製作はルノー・エ・パピ社やドンツェ・ボーム社など一流サプライヤーに、モデルごとに最適な外部スタッフを選んで依頼するシステムをとっている。F1ドライバーや一流テニスプレーヤー等とのコラボモデルなど、精力的に新作を発表している。
最初に発表されたモデル「RM001 トゥールビヨン」にはF1や航空宇宙産業において使われる技術と素材を採用。妥協や見せかけの技巧を全て排除した究極の時計作りのコンセプトのもと誕生。2007年には「第7回ウオッチメイキング・グランプリ」で、RM012」がグランプリを獲得。グレード5のチタン、ARCAP合金、LITAL合金等のハイテク素材を使用し、極めて細いPhynox製チューブによるトラス構造ムーブメントを搭載した同モデルは、まさに時計界のF1と称されたのである。その後、カーボンコンポジット製ケースにトゥールビヨンを搭載した世界で最も軽い機械式腕時計「RM027ラファエル・ナダル」を世に送り出すなど、常に進化を遂げている。
リシャール・ミルの腕時計には、標準タイプの部品は事実上使用されていない。コンセプトが部品を決定するのであり、その逆はあり得ない。驚異のメカニズムを搭載した逸品としてのリシャール・ミルの腕時計は、その希少性から年間に生産される本数もごくわずかである。