上野街子は加賀友禅作家として活躍しており、女性ならではの感性と、着る側の感覚を大切にした着物つくりを心掛けて制作にあたっています。
御所解(ごしょどき)、茶屋辻 (ちゃやつじ)といわれる伝統的な図案を中心に、近年では名所の風景を描いた作品などを手掛けています。
上野街子は伝統ある友禅一家である上野家に嫁ぎ、夫は重要無形文化財の認定を受けた上野為二の次男である上野清二です。
その夫・上野清二が急逝した事で友禅作家として表舞台に立つようになり、夫の名を残したまま上野家の伝統を継ぐ事を決意し、「清染居」を名乗るようになりました。
また個人名を使用していない理由として、上野家の伝統を大切にしながらもその時代の感性を加えてできた清染居の作調が次の世代へと受け継がれていってほしいという願いを込めており、人の短い一生にとらわれずに伝えていく事のできる名前として個人名を使わずに清染居の名で刻んでいきたいと考えたからでした。
上野街子は上野家に伝わる繊細華麗な作調を守り、京加賀友禅の伝統に現代の息吹を織り込み、気品あふれる着物へと仕上げています。