山形県の米沢市、長井市、白鷹町を中心に生産されている絣の総称。
この地方が置賜地方と呼ばれていたことから付けられた。
米沢藩が滅亡寸前の財政難に陥っていた時に
藩主・上杉鷹山が打ち立てた殖産興業政策の中で
全国各地から様々な織物職人を呼び寄せ、技術を習わせた事によって
置賜に紬の技術が根付くと共に、財政難は回復した。
置賜紬には地域によって少し違いがある。
【米沢紬】は草木染を主体に発展。
紅花をはじめ刈安・楊梅・くちなし・栗など、豊富な染料で
落ち着きのある色柄を特徴としている。
【長井紬】は琉球の文様に影響を受けた。
江戸時代の北前船の交流により運ばれてきた琉球織物が
長井に運ばれてきた為だと言われている。
琉球に強く影響された絣柄が発展し、現在の長井紬の原型となった。
その後、琉球色の強い柄のものは「米流」と呼ばれ、
明治時代には大島紬などと並ぶ人気商品になった。