東京都出身の染色家です。
多数の着物雑誌にも作品が多数取り上げられ、国画会の会員として活躍しています。
古澤万千子の作品はまるで夢の国を描いたような唯一無二の染色世界を生み出しており、随筆家・白洲正子も「彼女の染めものが美しいのは、その方法がまったく独自のものだからである。型紙も自分で彫るし、むろん絞りも自分でくくる。あらかじめ下絵を描くこともせず、いきなり白生地に向って、仕事をしながら造って行くのが彼女のやり方で、すべて即興で行っているといっても過言ではない。」と評価しており、この事から古澤万千子の作品は「即興の詩」と評されるようになりました。
なぜ、古澤万千子が白洲正子からこのような評価を得たのかというと、それは彼女の制作スタイルが関係しています。
古澤万千子は型絵染め、絞り染め、手描きなど多数の技法を使い、枠にとらわれず、下絵などなしに自由な発想で染め上げていく事が特徴で、製作途中でここに絞りを入れた方がいいと思えば絞りの技法を入れるなど、その時のインスピレーションで染めあげていくため、「即興」という言葉が使われているのです。
また、染料も化学染料は用いらず、天然染料のみで仕上げるため、古澤万千子のやわらかでどこか懐かしい世界観をしっかりと表現しています。
作品には着物、帯などがあり、現在でも高く評価されており、白洲正子も古澤万千子の着物を多数所有していた事で知られています。