山梨県河北町の伝統的技法の染め物。
紅花は中国から渡来し、東北地方の雪深いところでも栽培され、
岩手県以南の日本全国で栽培されるようになる。
江戸時代中期には村山盆地周辺が全国の生産の50%を占めていた。
土地が紅花栽培に適しており、換金作物として重宝されていたため、
河北町は山形市に次ぐ、紅花の一大集散地として栄えてきた。
こうした背景から、紅花を使った紅花染が生まれた。
紅花は名前だけ聞くと赤い花を想像するが
元は黄色、もしくはオレンジ色に見える花である。
その花を摘み取って水洗いし、圧搾機にかけて絞り出す。
残った紅花を小さな団子に丸め、
押しつぶして煎餅のような形に伸ばし「紅餅」にする。
これを並べて発酵させて乾燥させると赤色に変わる。
こうして色鮮やかな紅花染ができるのだ。