岩手県二戸地方に伝わる織物。
緬羊が導入され、同地のイギリス人宣教師より
織り方を教わったのが始まりである。
ホームスパンとは「家(home)で紡ぐ(Spun)」という意味。
言葉の通り、羊毛農家が羊の毛を自家用に織っていた。
また、英国の王室では古くからホームスパンを奨励し、
買い上げて贈り物に使用したともいわれている。
全行程の中で最も手間がかかるのが「糸紡ぎ」だ。
ふんわりとした綿状の羊毛を均一な平らの糸にしなければ
織物ができない為、熟年した人でも神経を使う作業なのだ。
苦労と努力の結果、やわらかく、皺になりにくい優しい肌触りと
深みのある暖かな手作りの風合いの作品が出来上がる。